自ら潜在的な問題を見つけ出し、未来に向けた問題を意図的に設定して取り組む
経営環境が大きく変化する現代において、組織や個人における「問題解決能力」の重要性はますます高まっています。
そもそも「問題」と聞くと、単に「不具合」や「良くないこと」をイメージする方が少なくありません。しかし、佐藤允一氏が提唱した「問題構造学」において、問題は次のように定義されています。
「問題とは、目標(あるべき姿)と現状(ある姿)とのギャップ(差)である」
つまり、問題の本質とは「目標(ありたい姿・あるべき姿・理想)」と「現状」の間に生じているギャップそのものを指します。単に現状の水準が低いことだけが問題の発生を意味するわけではありません。
この定義に当てはめると、「問題がない」という状態は以下のいずれかであることを示しています。
現状が正しく把握できていない
理想や目標が設定されていない(または低すぎる)
その両方に該当している
ビジネスにおいて「『問題がない』ことこそが最大の問題である」と言われる理由はここにあります。目標や現状認識が欠落していれば、改善の糸口すら見出すことができません。
さらに問題構造学では、ギャップの捉え方やアプローチの性質によって、問題を次の3つに分類しています。
●発生型問題(過去〜現在の問題:すでに起きている問題)
標準や目標から逸脱し、トラブルや不良として顕在化している問題です。原因を追及し「元の正常な状態に戻すこと(マイナスをゼロにする)」を目的とします。
例:機器の故障、商品不良の発生、急激な売上低下
●探索型(発見型)問題(現在の問題:現状をより良くするために見つけ出す問題)
一見順調に見える業務の中に潜む不満・ムダ・不効率を探索・発見する問題です。「現状のプロセス改善(ゼロをプラスにする)」を目的とします。
例:業務フローの標準化・効率化、既存サービスの利便性向上
●設定型(発展型)問題(未来の問題:将来の目標・理想を自ら定めて創り出す問題)
過去の延長線上にはない高い目標や新しい理想像を意図的に掲げ、自ら創り出すギャップです。「組織の変革や価値創造」を目的とします。
例:新規の保険外事業の立ち上げ、次世代を見据えた薬局内連携・継続的服薬支援体制の構築

複雑で変化の激しい時代においては、目の前のトラブルがないことだけで安心するのではなく、自ら潜在的な問題を見つけ出し、未来に向けた問題を意図的に設定して取り組む姿勢が求められています。
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